シェイクスピア朗読

シェイクスピアについて徒然に綴るブログです
人間不信―『アテネのタイモン』4幕1場

 

 

72年前の沖縄戦の犠牲者を悼む慰霊の日の23日、糸満市の平和記念公園で翁長知事は戦争の不条理と残酷さを体験した県民は平和な世の中を希求する心を強く持っていると言い、沖縄の民意を顧みずに工事を強行している政府を批判しました。

 

戦争の恐怖を実感し得ない世代の権力者の膨満感は目に余ります。

 

安倍首相、官邸、政権与党は「もり・かけ」問題で嘘をつき、「共謀罪」を一般市民は捜査の対象にならないなどと詭弁を弄して採決し、国民の意向を下衆の勘ぐりと断じて議論の場を閉じてしまいました。

 

政治家不信、人間不信は人を極端な人間嫌い(misanthrope)に走らせることがあります。 

 

絶望と怒りは破壊的否定的感情を呼び起こしかねません。

 

シェイクスピアは前5世紀末のアテネの伝説的人間嫌いのタイモンにこんな風に言わせています。

 

 

 振り返ってもう一度見よう。ああ城壁よ

 狼どもを取り囲んでいる、大地に沈んでしまえ

   アテネなど守るな。結婚した女よ、不貞になれ、

 親に逆らえ子どもは。奴隷や阿呆は

 いかつい皺だらけの元老を引きずり下ろし、

 代わりに職に就け、売春宿の女将になれ。

 売女になれるぞ初々しい処女は、

 親の目の前でやれ。破産者は、やれ

 借金などは返さず、ナイフを抜いて、

 債権者の喉笛をかっ切ってやれ。奉公人は、盗め、

 真面目くさった旦那は大泥棒だ。

 法によって盗め、女中は、旦那のベッドに潜り込め。

 奥方は売女だ。16歳の息子は、

 よぼよぼの親父から松葉づえを引ったくり、

 その杖で、頭を叩き割れ、敬虔も、罪への恐れも、

 神々への信仰も、平和も、正義も、真実も、

 親への尊敬も、夜の休息も、隣人への愛も、

 教育も、礼儀作法も、工業も、商業も、

 位階も、従順も、慣習も、法律も、

 堕落して破滅をもたらす真逆のものになれ、

 破滅だけが続け。人間にとりつく疫病よ、

 お前の伝染性の強い熱を、積み上げ

 アテネを一撃しろ。座骨神経痛よ、

 元老どもにとりついて、足腰立たぬようにしろ

 マナー同様にびっこにしろ。淫欲、放縦よ

 若い連中の骨と髄に忍び込み、

 美徳の流れに逆らわせ、

 放蕩、浮気、膿疱に溺死させろ、

 全アテネ人の腹に種を撒き、稔らせろ

 ライ病の実を。ものを言えば、口から口へ伝染し、

 人との付き合いは(奴らの友情と同じ)

 毒の移し合いになれ。何も持っては行かぬ

 この裸身一つでいい、こんなアテネからは、

 これもくれてやる、てんこ盛りの呪いと一緒に。

 タイモンは森へ行く、そこで分かるはずだ

 残忍なけだものも、人間よりやさしいとな。

 神々よ呪ってくれ(聴き届けろ善良なる神々よ)

 あの城壁の内と外にいるアテネ人を残らず。

タイモンの胸に増大しますように、人間嫌いが

全人類に対して、日ごとにいや増しますように。

 

                 4幕1場

 

 

Tim. Let me looke backe vpon thee. O thou Wall

 That girdles in those Wolues, diue in the earth,

 And fence not Athens. Matrons, turne incontinent,

 Obedience fayle in Children: Slaues and Fooles

 Plucke the graue wrinkled Senate from the Bench,

 And minister in their steeds, to generall Filthes.

 Conuert o'th'Instant greene Virginity,

 Doo't in your Parents eyes. Bankrupts, hold fast

 Rather then render backe; out with your Kniues,

 And cut your Trusters throates. Bound Seruants, steale,

 Large-handed Robbers your graue Masters are,

 And pill by Law. Maide, to thy Masters bed,

 Thy Mistris is o'th'Brothell. Some of sixteen,

 Plucke the lyn'd Crutch from thy old limping Sire,

 With it, beate out his Braines, Piety, and Feare,

 Religion to the Gods, Peace, Iustice, Truth,

 Domesticke awe, Night-rest, and Neighbour-hood,

 Instruction, Manners, Mysteries, and Trades,

 Degrees, Obseruances, Customes, and Lawes,

 Decline to your confounding contraries.

 And yet Confusion liue: Plagues incident to men,

 Your potent and infectious Feauors, heape

 On Athens ripe for stroke. Thou cold Sciatica,

 Cripple our Senators, that their limbes may halt

 As lamely as their Manners. Lust, and Libertie

 Creepe in the Mindes and Marrowes of our youth,

 That 'gainst the streame of Vertue they may striue,

 And drowne themselues in Riot. Itches, Blaines,

 Sowe all th'Athenian bosomes, and their crop

 Be generall Leprosie: Breath, infect breath,

 That their Society (as their Friendship) may

 Be meerely poyson. Nothing Ile beare from thee

 But nakednesse, thou detestable Towne,

 Take thou that too, with multiplying Bannes:

 Timon will to the Woods, where he shall finde

 Th'vnkindest Beast, more kinder then Mankinde.

 The Gods confound (heare me you good Gods all)

 Th'Athenians both within and out that Wall:

 And graunt as Timon growes, his hate may grow

 To the whole race of Mankinde, high and low.

 

 steeds = steads     hold fast = refuse to pay  lyn'd = lined

 (= padded) Mysteries = Crafts     Sciatica = Nerve pain     

  halt = limp     Blaines = Sores     meerely = wholly     Bannes = Curses

 

 

気違いじみた欲の限りを目いっぱいに示してはいますが、シェイクスピアは何が大切かを考えさせようとしているのです。

 

私たちはいま日本社会の変貌ぶりにどう向き合ったらいいのか。

 

怒りはあるが、一方向に向かう感覚の偏り、感情の偏り、思考の偏りはいけない、無用な衝突、争いはしたくない、そんな思いがあるならば、 自分の本質的な部分、つまり自分軸で判断するしかありません。

 

その判断に自己免疫力は高まるか、ホメオスタシス効果を促せるか、自由や希望、しあわせを感じられるか。

 

人間嫌いに陥らずに心をどうギアチェンジすべきか、タイモンの人間不信、人間嫌いの否定的感情と平和と愛と信頼の肯定的感情のイメージを文字や絵に描いてみると具体的に見えてくるかもしれません。 

 

 

うちむらとしのりシェイクスピア朗読                 

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| - | 22:04 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
権力の暴力を前にして

 

 

共謀罪法案は必要なのかどうか、権力が乱用されプライバシーが侵害されることはないのかなどと言い合っているうちに、政府は奇策に転じてあっさり強行採決してしまった。

 

「総理のご意向」文書の存否を再調査した結果、19文書の内14文書の存在は確認できた、官邸の最高レベルの加計学園新学部計画への関与を記した文書も確認できた、なに?「内部文書を告発したら国家公務員法(守秘義務)違反に問われる」?官邸の最高レベルが徹底して調査しろと言うから内閣府も文書があるかどうか今夜徹夜して調べる?

 

何なんだこれは、怒りは抑えなければならないが、シェイクスピアから見ればこうなる。

 

芸術の鑑賞とか享受とか気軽に言われるが、シェイクスピア劇の受容だけは気軽には済まされない、覚悟が必要。

 

この世が固定されて一点に留まるような描写は無し、舞台は常に流動、視点はトンボの目ん玉のごとくぐるぐる回る、思考は多角的かつ多元的、こうかなと思っていると次の場面であっさり否定される、そんな二律背反するドラマツルギーで押してくる。

 

冒頭、登場人物がいくつかのテーマを明示はするが、幕と場を重ねるたびにテーマは四方八方に飛び散り、消えるのでなく一つの主題に収斂して行く。

 

せりふはあるがままそのまま、叫ぶがごとく、歌うがごとく、呻くがごとく、囁くがごとく、泣くがごとくに、アイロニカルに、滑稽に、えげつなく、上品に、品性なく、執拗に、さりげなく示されるために、目と耳と皮膚感覚でせりふを聴き分けなければならない。

 

主張する人物が登場し、それを否定する人物が登場し、第三者が登場し、結果、観客の意識とは異なるもの、価値観のまったく違うもの、対立するもので舞台は溢れ返るばかりに。

 

そんななかに韻文あり、散文あり、スピーチあり、討論あり、独白あり、脇台詞あり、沈黙ありで、それぞれの人物の内面の葛藤、人との軋轢、集団社会との関係が描かれて行く。

 

劇は法廷劇の構成になっているから積極的な言葉の応酬が行われ、観客は裁判官あるいは陪審員となって自分の体験と知識に照らして洞察を加えなければならない。

 

登場人物が正常か異常か、何に囚われているかと性格診断や病状診断する臨床医にならなければならない場合もある。

 

白黒の決着の付け方も、差し出す処方箋も、主人公に対するだけではすまされない、端役はどうでもいいということにはならない、登場人物はすべて等しくそれぞれの役割を担い問題提起しているのだ。

 

観客は、人のあり方から、集団、社会の仕組み、他国との関係に及び、法学、心理学、医学、社会学、経済学、地理、歴史、宗教学、天文学のありとあらゆる知見を総動員して取り組まなければならない。

 

舞台全体の構成、形、色、線を美学的に考察し、聴こえてくるトランペットや太鼓の音を具体的にイメージもさせられる。

 

当時はまだ中世の聖書物語劇や道徳劇も上演されていたから、それらの伝統、慣習も踏まえて、通時的、共時的に、微視的に、巨視的に、フォーカスし、遠望し、ぜんぶひっくるめて総合的に判断しなければならない。

 

思う存分に芝居を享受はするが一方には偏れない、最終判断は当然慎重になる、問題の本質、法的判断、社会システムについての判断は観客自身の人間性に委ねられる、法律を動かすのは観客自身なのだ。

 

他の劇作家とは違う個性の強さ、作風の斬新さ、戯曲の振れ幅があり、溢れるばかりの描写力があるために、シェイクスピアは手強い、足をすくわれそう、火傷する、そんな畏怖、畏敬の念とともに、敬遠したくもなる。

 

この世のありようをそのままあるがままに摑み出してみせてはくれるが、 答えは用意しない、何をどのように感じ受け取るかはこちら側観客の問題になる。

 

洞察は加えなければならないが、現実の世界そのものに表裏あり、二項対立あり、矛盾で成り立っているから、しかもそれらがひとつながりにつながっているとなると、人のやることに善悪の見定めはつけ難い、正邪の判断はつけられない、きれいなのは汚く、汚いのがきれいだったりする、だから通り一遍の決着などつけられない。

 

決められない小田原評定こそ民主主義の手法と言えなくもないが、多数決民主主義という暴力でごり押し的に決めるのは民主主義などというものではない、権力の暴走、おぞましき独裁の手法である。

 

政策の決定過程はどうあるべきか、対立するものとの合意形成はどう図ったらよいか、議論の場は幅広く、しなやかに、のびやかに、想像力、洞察力、判断力を養う場に、などとは考えない、一顧だにしない、但し、政治の言葉だけは「誠実に」、「真摯に」と続く。

 

自己決定能力が観る者に期待されたのは、シェイクスピア自身が自ら処理できないほどの人生苦と社会苦を抱え込んでいたからでしょう。

 

黒を白と言い含める加計問題を引きずったまま共謀罪を成立させる暴挙に出た現政権にはまったく苦も心意気も何もない、想像力・洞察力・判断力・自己決定能力のかけらもない、あるのは平気で嘘をつく言葉である。

 

内閣府が行政の人事権を握り、権力が国民を監視する、政治が自由かつ多様であるべき価値観を狭く窮屈に設定し始めたいま、私たちは声を潜めていてはいけない。

 

デモに行こうとは言わないが、いま切実に思う、シェイクスピアが正しく理解され、選択決断の糧に、行動のエネルギーになってほしいと。

 

お粗末極まる政治劇を前にして、ポンポン飛び交う空疎な言葉を吟味することもしないで、上っ面だけ理解して、まあこんなものだろうで済ませてしまっていいのか。

 

 

ちむらとしのりシェイクスピア朗読

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| - | 09:18 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
酒は憂いの玉箒―『ヘンリー4世』(第2部)4幕2場

 

 

「酒は百薬の長」と言われるほかに「酒は憂いの玉箒」という言い伝えも。

 

北宋の詩人・書画家、蘇軾(そしょく、1036〜1101)の言ったものです。

 

血管を拡張し血液の流れを良くして血行改善、心臓病などの循環器系疾患の発病を抑え、胃を刺激して食欲増進、さらに、心の憂さを掃き去って忘れさせてくれる玉箒。

 

アルコールが体内に入ると、大脳の表面を覆っている大脳皮質(思考や知覚、運動、記憶などの機能を司る部位)の抑制が解放されて緊張がほぐれ、普段よりも陽気で快活になって会話が弾みます。

 

グラス一杯のワインは寿命を延ばすとも言われて、仲間と一緒にほどほどに飲めば人間関係が滑らかに、お酒の持つ作用と社会的な機能が相俟って長寿の効果につながるという、いいことづくめ。

 

『マクベス』の門番が「酒は興奮させるところもあれば萎えさせるところもある」と言ったように、脳と神経系統の興奮の伝達に関係してお酒は飲み方次第で効果をもたらすが、害にもなる。

 

酒の持つ二律背反現象と同じで、このところ国の大義を説く政治家の二律背反する言動が目立ち、この世は緊迫した情勢にあります。

 

酔っぱらって、興奮しているのか萎えているのか、飲むほどに憂さは増し不安が倍加することも。

 

シェイクスピアの時代には因習の縛りとペストの猛威と切羽詰まった国際情勢が個人活動と社会活動に多くのねじれを生んでいました。

 

人と国家のねじれは劇作家の目にはまったく同じに見えました。

 

人も国も厳密にはできていない、理屈通りにはいかない、欲と情念に支配されて、不条理、二律背反、矛盾する存在である、私憤は国を分裂させ、政治活動はことごとく裏切りと報復の連鎖となり、国の大義は直ちに国際紛争を招くと。

 

ことを構えるには勇気がいる、覚悟がいる、しらふではものが言えない、動けない、酒の力が必要、そんなことを言ったのは『ヘンリー4世』(第2部)に登場するフォールスタッフでした。

 

 

 その通りやれる男になれっての。できりゃたいしたもんだ

 公爵領以上だろ。そうよ、あのしらふの糞真面目野郎

 俺が嫌いで、笑うってことが

 ねえ。不思議はねえな、知らないんだ

 ワインの味を。ああいう酒嫌いにかぎって

 ろくな野郎じゃねえ。水で薄めたやつしか飲まねえから

 血が冷える、魚ばっかり食うから、

 男のヒステリーになる。で、

 結婚すりゃあ娘っ子ばかり生む。まずは

 馬鹿か、腰抜けだ。俺たちも油断はならねえ、

 酒でカッカとさせなきゃ。そもそも極上のシェリー酒には

 二重の功徳がある。第一、まず頭に駆け上がって、そこの

 阿呆で、退屈で、凝り固まったやつを干し上げる、

 モヤモヤを。血の巡りをよくして、一気に、創意、

 即座に、血気盛ん、愉快なことを思いつく。それを

 声にする、舌に載せる、するってえと

 生まれるんだ、極上のウィットが。第二に

 シェリー酒の功徳は、こうだ、血をほてらせる。

 それまでは(冷たく、淀んで)、肝臓を白く、

 なまっ白くさせていた。臆病、腰抜けのしるし。

 ところがシェリー酒でカッとほてりゃ、駆け巡る

 五臓六腑を、両手両足まで。パッと火をともす

 顔に、こいつが(かがり火になって)合図するんだ

 この小王国(人間)の全兵士に戦闘用意ってな。すると

 田舎の平民やら都心部の小市民やらが、こぞって

 御大将の、心臓のもとへ馳せ参じる。御大将は、

 こうも部下に整列されちゃ、得意満面意気揚々。この

勇気凛々がシェリー酒のおかげなのよ。だから、銃剣術も

ヘナヘナ、酒抜きじゃ(銃剣を動かすのは酒だ。)それに

学問なんてえてのも、金の山、悪魔が隠してやがんの、

酒で勢いつけて、引っ剥がさなきゃ、使えねえ。みんな

酒のおかげよ、ハリーが勇敢なのもそう。冷たい血を

生まれつき親父から受け継いでたが、そう、

荒れて、不毛の、痩せ地のざまだったが、そこに

肥料をあげて、耕してやったんだ、

シェリー酒でたっぷりとな、いまじゃあ立派な熱血漢、

英雄だ。俺に伜が千人いて、第一に

教えてえことは、人間の守るべき道として

これ一つよ、薄い飲物には誓って口をつけるな、

シェリー酒にわが身を打ち込めってな。

 

                     4幕2場

 

 

Falst. I would you had but the wit: 'twere better

 then your Dukedome. Good faith, this same young so-

 ber-blooded Boy doth not loue me, nor a man cannot

 make him laugh: but that's no maruaile, hee drinkes no

 Wine. There's neuer any of these demure Boyes come

 to any proofe: for thinne Drinke doth so ouer-coole

 their blood, and making many Fish-Meales, that they

 fall into a kinde of Male Greene-sicknesse: and then,

 when they marry, they get Wenches. They are generally

 Fooles, and Cowards; which some of vs should be too,

 but for inflamation. A good Sherris-Sack hath a two-

 fold operation in it: it ascends me into the Braine, dryes

 me there all the foolish, and dull, and cruddie Vapours,

 which enuiron it: makes it apprehensiue, quicke, forge-

 tiue, full of nimble, fierie, and delectable shapes; which

 deliuer'd o're to the Voyce, the Tongue, which is the

 Birth, becomes excellent Wit. The second propertie of

 your excellent Sherris, is, the warming of the Blood:

 which before (cold, and setled) left the Liuer white, and

 pale; which is the Badge of Pusillanimitie, and Cowar-

 dize: but the Sherris warmes it, and makes it course

 from the inwards, to the parts extremes: it illuminateth

 the Face, which (as a Beacon) giues warning to all the

 rest of this little Kingdome (Man) to Arme: and then

 the Vitall Commoners, and in-land pettie Spirits, muster

 me all to their Captaine, the Heart; who great, and pufft

 vp with his Retinue, doth any Deed of Courage: and this

Valour comes of Sherris. So, that skill in the Weapon

 is nothing, without Sack (for that sets it a-worke:) and

 Learning, a meere Hoord of Gold, kept by a Deuill, till

 Sack commences it, and sets it in act, and vse. Hereof

 comes it, that Prince Harry is valiant: for the cold blood

 hee did naturally inherite of his Father, hee hath, like

 leane, stirrill, and bare Land, manured, husbanded, and

 tyll'd, with excellent endeauour of drinking good, and

 good store of fertile Sherris, that hee is become very hot,

 and valiant. If I had a thousand Sonnes, the first Principle

 I would teach them, should be to forsweare thinne Pota-

 tions, and to addict themselues to Sack.

 

maruaile = marvel  Wenches = Beget females   cruddie = coagulated    enuiron = surround    apprehensiue = witty 

forgetiue = inventive    settled = stagnant     leane  = barren  husbanded = cultivated

 

 

ちょいとひっかけりゃ顔は輝いて、頭のモヤモヤがパーッと晴れて、愉快で生きのいい知恵がわんさか浮かぶ、冷たく淀んだ血も火照って五臓六腑を駆け巡り、身体中の精気がワーッと心臓のまわりに集まってきて、臆病、腰抜けも吹っ飛ぶ、勇気の根源は酒にあるぞと。

 

シェイクスピアは対仏百年戦争(1339-1453)とその後に続く薔薇戦争(1455-85)に材をとって中世的な慣習の残滓を残らず掬い取って作品に反映させました。

 

中世の英国は、先占、割譲、征服、併合を目指す領域国家で、国内には地方封建諸侯と新興市民層の対立がありました。

 

この対立を前提として双方の力の均衡の上に何とかかろうじて形を繕っていた不安定、過度的な政治体制下にあったのです。

 

何よりも期待されたのが王のリーダーシップで、期待に応えようとして王は地方封建諸侯や騎士団の軍事、行政、司法にわたる権力を奪い、大西洋沿岸地域の商業貿易活動の担い手となった新興市民階層を支援しました。 

  

力を得た新興市民層は王の権力集中活動を財政的にバックアップする関係を背景として英国社会は形成されたのであり、エリザベス1世(1558-1603)治世下のロンドンは絶対主義の中央集権的統治機構が力を振って新興市民層の利益を大いに促進しました。

 

一方で、市民個人の自由と平等を抑圧するものとしても機能していました。

 

この矛盾と二律背反、理不尽を抱え込んで多くの不一致と対立が起こり、争いが繰り返され、犯罪が生まれ、訴訟行為が起こりました。

 

この現実を出し抜くにはお酒を飲んで燃え上がる以外にない、歴史を踏まえて現実に降り立とうとする手段が巨漢道化のお酒の教義問答で滑稽に示されています。

 

 

うちむらとしのりシェイクスピア朗読

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