シェイクスピア朗読

シェイクスピアについて徒然に綴るブログです
<< 誰一人取り残さない―『リチャード3世』3幕1場 | main | テイトの改作版『リア王物語』 >>
美しい友よ−ソネット104

 

蒸し暑いなかの公園の掃除は要注意。

 

熱中症予防に水筒、蚊、蟻、ヒアリ?蜂、ひょっとしてマダニもという警戒心から作業ズボンを長靴に押し込んで、紐でぎゅっとガードし、ボロいYシャツの両腕に虫除け輪っかとゴム手袋を、キューガーデンの花柄エプロンを腰に巻いて、ハンカチ、鍵、携帯を入れ、サングラス、首にタオル、頭に麦藁帽子の完全武装、このいでたちでやおら森の入り口へ。

 

朝の光を浴びてカラスに阿呆〜〜と揶揄にされながら作業を終え、埃やら泥やらをパタパタ払い落として家に、ガラガラうがいをし、目薬を注し、シャワーを浴び、畳にドテーッと大の字に。

 

ではあっても、寝そべっていると聴こえてくる、安倍内閣の記録なし記憶なしの恥の上塗り答弁が。

 

出掛けたくもなるじゃないか、森へ、喧騒を離れてどこか時計が止まったようなところに、静かなところに、電車に乗って、そう、近場の農山漁村がいい、ほっつき歩くだけで何か新鮮なものに出逢えそうな気がする。

 

遠い海外はもういい、鄙びたところがいい、何かしらその土地特有のものが見え、匂い、聴こえてくるところがいい。

 

実利や見返りを求めるのでなく、そこに身を置くだけで敬虔な気持ちになれて、心が静まるようなスポットが。

 

ビューティフルサマーだ、どう、二人で出掛けないか、美しい友よ。

 

 

 私にとって美しい友であるきみは老いることがない、

 はじめてきみを見たときのまま、

 いまも変わらない。あれから三たび寒い冬が、

 森の木々の枝から三たび夏の装いを振り払い、

 三たび緑色の春が黄色い秋に変り、

 そんな四季の移ろいを私は見てきた、

 三たび卯月の風が香り三たび水無月の灼熱に燃えたが、

 きみをはじめて見たときの瑞々しさは新緑のまま。

 なのに美しさは時計の針のように、

 こっそり歩み、その足取りは見えない、

 きみの美しい容姿は、私には変わらずに見えるのに

 動いていて、気づかないだけなのか。

  そんなおそれゆえに、聴いてくれまだ生まれざる者よ、

  きみたちが生まれる前に美の夏は滅びるのだろうか。

 

               ソネット104

 

 

 TO me faire friend you neuer can be old,

 For as you were when first your eye I eyde,

 Such seemes your beautie still:Three Winters colde,

 Haue from the forrests shooke three summers pride,

 Three beautious springs to yellow Autumne turn'd,

 In processe of the seasons haue I seene,

 Three Aprill perfumes in three hot Iunes burn'd,

 Since first I saw you fresh which yet are greene.

 Ah yet doth beauty like a Dyall hand,

 Steale from his figure, and no pace perceiu'd,

 So your sweete hew, which me thinkes still doth stand

 Hath motion, and mine eye may be deceaued.

  For feare of which, heare this thou age vnbred,

  Ere you were borne was beauties summer dead.

 

   pride = splendor    processe = the progress    which yet = who well

     hew = appearance    thou age vnbred = future age

 

 

きみの美しさがこの世から消えるなんて、詩できみの美しさを永遠に残さなきゃ。

 

最後をサブジャンクティヴに訳しましたが、たぶんこれでいい。

 

ぞろぞろ連れ立って行くのも楽しいかもしれない、お喋りしながらほっつき歩くのも、気の置けない仲間と。

 

でもね、連れ立って歩いても、それぞれ個々別々の人生を生きていて、決して一つの人生にはならない。

 

けれども、何かその土地の大いなるものとの出逢いがそれぞれの生き方に反映して、そこで悟り合って、そんな一つの体験になればいい。

 

いや、やはり群れるのはやめよう、君と一緒に行けないんだったら、一人旅のほうが気楽でいい、自由でいい。

 

日常的に私たちは過剰過ぎる、なにやかや詰め込み過ぎて、頭に情報を入れ過ぎて、そして何かやらかす、勝ちたがる、モンスターでも何でもゲットしたがる、たくさんの友人で、お金で、地位や権力、名誉でうずたかく飾り立てたがる、自分の思い通りの風景にしたがる、風景を害するものを排除したくなる。

 

こういう独善、偏向、えこひいき、視野狭窄、頑迷、傲慢、貧相、半馬鹿エリート、ほんとに嫌いだね。

 

空疎な議論ばかりのこの世を浄化してくれるのは人間の浅知恵ではない、集団の力ではない、精妙なロボットではない。

 

知恵足らずの人間の脳と体に作用する万能ロボットが人間に深慮を与えるなんてことがあるのか。

 

ロボットが人の呼吸を整え、深く考えさせて、生活の質を高め、あるべき政治、経済、社会、教育、国際関係の指標を示すなんてことがあるのか。

 

人工知能が人間の疑心や不安、恐怖を食い止めて、癒し、慰め、堆積された余計なものをデトックスしてくれるなんてことがあるのか。

 

環境の変化に動じない人間らしい洞察力と判断力を発揮して、希望のある世界に向けて行動を促してくれるのか。

 

まさかね、ロボットを操作するのは人間なんだから。

 

いざ、われ一人鳥になり、離島の空に舞う。

 

ミネラルを含んだ水、新緑、甘味と酸味のある果物、陽光、澄んだ空気、匂い立つ土、虫よ、鳥よ、魚よ、人間を超える多くのいのちたちよ、輪をかく鳶よ、一緒に空を飛ぼうじゃないか。

 

ああ、美しい友よ、きみだけは一人の自由を生きる人になってくれ、いのちの輝きを保証してくれる美の夏でいてくれ。

 

 

シェイクスピア朗読教室         

http://shaks.jugem.jp/

 

 

| - | 21:28 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
スポンサーサイト
| - | 21:28 | - | - | pookmark |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://shaks.jugem.jp/trackback/517
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< July 2019 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
モバイル
qrcode
LINKS
PROFILE