シェイクスピア朗読

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法律家の頭―『ハムレット』5幕1場

 

早や師走、何とも落ち着かないモヤモヤが漂う年の暮れ。

 

総選挙騒動後の森友学園の国有地値引きの根拠不十分問題、タダ同然に手に入れさせた忖度的悪徳取引に対する司法判断はない。

 

前代未聞の横綱の土俵上のルール違反、弓取り式が行われるまで仁王立ちしてもう一度相撲をとらせろと駄々を捏ねた問題。

 

他の競技種目ならこの時点でルール違反、失格、出場停止処分になるが、審判部も、日本相撲協会も、横綱審議会も、そうした判断をしない。

 

日本の政治は、相撲は、これでいいのか。

 

政治家は法律を知らなければならない。

 

力士もいろいろ知らなければならない。

 

相撲は神事であり、芸能であり、スポーツである、日本の伝統文化としての相撲道とルール・マナーを心得ていなければならない、ましてや横綱は。

 

法意識、つまり社会常識、正義、モラルばかりでなく、美意識がきちんと備わっていなければ、組織、機構に携わる者としては失格なのだ。

 

国会運営は、相撲の運営は、組織、機構として成り立っているのか。

 

内閣総理大臣はどうか、横綱はどうか、美しいか、見苦しくはないか。

 

 

ハムレット そらまた一つ。今度のは

 法律家の頭か?お得意の詭弁はどうした?

 屁理屈は?判例は?所有権は、あの手この手の駆け引きは?

 こんな乱暴な奴にこづかれてどうして黙っている

 泥だらけのシャベルで頭を、訴訟を起こしたらどうなんだ、

 殴打罪で?ふむ。こいつめ

 生きていたときに土地を買い占めたな、借金の証書、弁済保証の

 担保、形式的和解譲渡、二重証人申請、名目変更手続きで。

 慣れ合い譲渡、慣れ合い訴訟、

 土地買い占めのなれの果てがこれか?

 名目変更手続きで手に入れた土地が、

 細かい粒の泥の頭骸骨になったか?

 証人を申請しても保証はしてもらえまい、二重証人の

 申請をしても、せいぜい噛み合わせた程度の大きさしかない

 甲乙二通の歯形契約証書だろう?肝心の土地譲渡証書は

 保管できっこないこんな箱では。土地所有権者一人で

 もう一杯じゃないのか?え?

 

                5幕1場

 

 

Ham. There's another: why might not that bee the

 Scull of a Lawyer? where be his Quiddits now? his

 Quillets? his Cases? his Tenures, and his Tricks? why

 doe's he suffer this rude knaue now to knocke him about

 the Sconce with a dirty Shouell, and will not tell him of

 his Action of Battery? hum. This fellow might be in's

 time a great buyer of Land, with his Statutes, his Recog-

 nizances, his Fines, his double Vouchers, his Recoueries:

 Is this the fine of his Fines, and the recouery of his Reco-

 ueries, to haue his fine Pate full of fine Dirt? will his

 Vouchers vouch him no more of his Purchases, and dou-

 ble ones too, then the length and breadth of a paire of

 Indentures? the very Conueyances of his Lands will

 hardly lye in this Boxe; and must the Inheritor himselfe

 haue no more? ha?

 

    Quiddits = Subtle distinctions    Quillets = Quibbles    Tenures = Property

       titles    Sconce = Head    Action of Battery = Legal prosecution for assaul

    Recoueries = Peofits    fine = subtle   Fines = finre-graind 「形式的和解

      譲渡」  Indentures 「歯形契約書」    Inheritor = possessor

 

  

ハムレットが法やルールをよく心得る大人としてとして登場しています。

 

けれどもこんな法律専門用語を駆使して皮肉を弄しても、この世の緩みを正すことはできない。

 

法律をどれほど頭に詰め込んでも、考えることが土地を買い占めること、勝つことであるならば、頂点に上り詰めれば何でも言える、何でもできると考えるだろう。

 

国政は、国会・内閣・裁判所がそれぞれの役割を持ち、分担して進められる。

 

権力が1か所に集中したりその力が強くなり過ぎないように、立法・行政・司法のそれぞれが独立して、お互いに抑え合い釣り合いをはかっているのです。

 

選挙で選ばれた代表は議論を尽くしてみんなの暮らしに関わる取り決めや国の政治を進めていく、それが国会。

 

法案は衆参両院で民主的多数決によって議決され、法律として成立、予算を使い法律に従って国民の暮らしを支える仕事を行なう、そこが内閣。

 

争いや犯罪が起こったら憲法や法律に基づいて判断し解決する仕事をする、そこが裁判所。

 

以上が民主主義政治の基本的な考え方としてあるが、いまの政権が進める高度成長よもう一度政策と私たちが求めるお国柄、人のしあわせと生命の尊厳追求の政策との間に乖離があり過ぎる、矜持なく、理想なく、緩んでいる。

 

土俵上の横綱の立ち居振る舞いとフアンが期待する日本固有の相撲美学との間に落差があり過ぎる。

 

首相と横綱の自己流の法とルール解釈は自己本位過ぎ、彼らの露骨な自画自賛のパフォーマンスに私たちは安易に賛同し、自ら共犯者関係を築いてしまう。

 

法、ルール、礼儀作法の理解力がなく、日本固有の独自性の放棄、慣れ合い、まあまあの寛容の精神を発揮して万歳三唱してしまう、何という体たらくであろうか。

 

時代が変われば何もかも変わっていいというものではない。

 

隔靴掻痒感は深まるばかり。

 

 

うちむらとしのりシェイクスピア朗読                  

http://shaks.jugem.jp/

 

 

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