シェイクスピア朗読

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予見−『ヘンリ−4世』(第2部)3幕1場 

 

ここ数十年の間に出生数が半減して、就職する者の数が退職する者の数を下回っているという。

 

政府はここでまた一つ愚策を加えた、人手不足を5年間で外国人労働者を35万人増やすらしい。

 

政権は不勉強な上に現場感覚がないから、少子高齢化対策の切り札にできると思ったようだが、低賃金労働に依存する企業は日本語、資格問題、家族の受け入れ問題を負わされて、安く使えるどころか、廃業に追い込まれるのではないか。

 

受け入れ態勢がまるでできていないのだ

 

女性活躍のときなのだが、そういう風には捉えない。

 

この国には仕事をしたいができない女性が大勢いる、資格を活かせない、子育てと両立できない、そんな女性が。

 

働き方改革とか、女性活躍社会とか、男女共同参画などとは言うが、職場を改善して女性の活躍の場を広げ就業率を高めようとは考えない、妊婦の医療費を完全無料化するという発想もない。

 

日本の女性の地位はOECD(経済協力開発機構)諸国のなかの最悪最低レベルにあるにもかかわらず、何をどうしたらいいのか分からない、社会が分断され、超高齢化と超少子化を招き、他殺と自死の常態化する社会になってもなお。

 

来年度予算は100兆円超、税金の30%強が高齢者対象の年金・医療・介護の社会保障費に使われ、安全保障は目ん玉が飛び出るほど高額のイージスやF35を揃えることだと考える。

 

国難と言いながら子育て費用に使われる財源はなくなり、多くの子どもたちが育児放棄に遭って、朝食すら食べられない。

 

未来の出来事が書き込まれる運命の書には破綻寸前の国の姿がありありなのだが、それを正視する目がない。

 

息子を討ち死にさせてしまったノーサンバランド伯は憤激して前後の見境なくヨークの大司教の反乱に合流、王ヘンリー4世は謀叛に悩み、疲れて、聖地への十字軍派遣を夢見るばかり。

 

 

 ならばわが王国の体の具合に気づかれたであろう、

 いかなる病状にあるか。なんといういまわしい病い、

 いのちを脅かして、心臓の辺りにまで来ている。

ウォリック ほんの体だけ、調子が悪いだけのもの、

 本服は期して待つべきでしょう、

 医者の注意を守り、いささか医薬を用いますれば。

 おお神よ、運命の書を読み取る力があれば、

 そして時の運行を見る力があれば

 山々を真っ平にし、乾いた大地が

 (その堅牢さに飽きて)溶け

 大海原に化してしまうのを

 有為転変する酒を注がれて。まだ10年と経っていない、

 リチャードと、ノーサンバランド、御両人が、

 戦場で相対した。それからわずか8年、

 同じくこれもパーシー、わが腹心として、

 いわば、兄弟同様に、骨折ってくれた、

 そう、私のために、リチャード王に対してさえ、

 (ネヴル、確か卿だったな居合わせたのは)、

 リチャードは、目に、涙を一杯浮かべて言った、

 ノーサンバランド、そなたは梯子役だ、

 私の従弟ボリンブルックを王位に就かせるためのと。

 だが王位のほうから頭を垂れてきて、

 私も王座にくちづけせざるを得なくなったのだ。

 こんな日が来るのを(彼は予見していた)。

ウオリック 人の生涯にはみなそれぞれの歴史があり、

 過ぎ去った時代の姿をそのままに写し出します。

 これを読むことさえできれば、

 リチャード王の場合も見事に予見されたのです、

 陛下を措いて他にないと。

 

               3幕1場

 

 

King. Then you perceiue the Body of our Kingdome,

 How foule it is: what ranke Diseases grow,

 And with what danger, neere the Heart of it?

War. It is but as a Body, yet distemper'd,

 Which to his former strength may be restor'd,

 With good aduice, and little Medicine:

 My Lord Northumberland will soone be cool'd.

King. Oh Heauen, that one might read the Book of Fate,

 And see the reuolution of the Times

 Make Mountaines leuell, and the Continent

  (Wearie of solide firmenesse) melt it selfe

 The beachie Girdle of the Ocean

 With diuers Liquors. 'Tis not tenne yeeres gone,

 Since Richard, and Northumberland, great friends,

 Were they at Warres. It is but eight yeeres since,

 This Percie was the man, neerest my Soule,

 Who, like a Brother, toyl'd in my Affaires,

 Yea, for my sake, euen to the eyes of Richard

  (You Cousin Neuil, as I may remember)

 When Richard, with his Eye, brim-full of Teares,

 Northumberland, thou Ladder, by the which

 My Cousin Bullingbrooke ascends my Throne:

 But that necessitie so bow'd the State,

 That I and Greatnesse were compell'd to kisse:

 The Time shall come (thus did hee follow it)

War. There is a Historie in all mens Liues,

 Figuring the nature of the Times deceas'd:

 And by the necessarie forme of this,

 King Richard might create a perfect guesse,

 Vnlesse on you.

 

    ranke = loathsome   distemper'd = sick    Continent = Dry land

    diuers = various    Neuil = Earl of Warwick   Figuring = Showing   

    deceas'd = past

 

 

王は因縁によって生み出される有為無常の運命の書をめくれば未来に起こる出来事を予見できる(follow, create a perfect guesse) と考えている、ウォリック伯も王同様に未来を見ているが、忖度して胡麻をすり潰している。

 

放課後子ども教室を始めたときの1年生がいま中学3年生、中学生対象の寺子屋と称するところで一人に巡り合い、ほかの子たちはいまどうしているだろうかと思い巡らすことが。

 

過去のできごとから学ぶことがあったろうか、体験を積んだろうか、挑戦することがあったか、しくじって、凹んで、それでもその先に何かを見つけて、この世が大きく広がっているだろうか、などと。

 

子どもだろうが大人だろうが、予知能力はしっかりと磨かなければなりません。

 

子どもたちは運命の書を読み取れるだけの読解力をつけたか、わが人生の道程を見透し、行く末の苦境を知り、書物を閉じて、死にたいと願ってはいないか、まさかとは思うが、不登校中学生10万超、保健室や校長室に登校する者を含めると30万人超、10人に1人。

 

子どもたちはどこまでも自由に考え、自由に行動していい、制約されてはならない、制限されてはならない、どんな環境に置かれても学び考える機会が保障されていなければならない。

 

知る自由、考える自由、体験する自由、何かが好きになる自由、誰かが好きになる自由、自由のぜんぶが保障されていいのです。

 

子どもを産み育てる女性には不安のない安定した生活が保障されなければなりません。

 

子どもには教育の機会が平等に与えられなければなりません。

 

母親と子どもはみな希望を持って生きてほしい、にもかかわらず、劣悪な環境に置かれて苦しんでいる女性と子どもが多過ぎる。

 

満足な仕事に就けず、満足な食事にありつけず、学べず、自分の思いを確かめる心のゆとりもなく、多くの女性と子どもが不本位に自分の前途を壊している。

 

だから、言いたくなるのです、高齢者は社会保障費を膨らますな、運動して、医者や薬に頼らない身体をつくって、地域のボランティア活動を楽しく面白くやってくれ、そこに生き甲斐を見い出して。

 

もちろん良質の外国人受け入れは不可逆の流れだろう、彼らに日本人と同等の権利を保証すべきだ。

 

現政権は目先の事象に振り回されて間違いばかり繰り返している、外国籍、女性、子ども、高齢者、障害者、多様な個性が生き生きと暮らすことのできる活気溢れる社会をつくろうとは考えない、頑迷で、無策。

 

何をどうしたらいいか分からない政治家は離れてくれ、排外主義者も不要、勉強し直してくれないか、憲法に自衛隊を明記しようがすまいが、そんなこと、日本の安全保障に何の変化も及ぼしやしない。

 

歴史が教えている、女性と子どもが未来の希望なのだ、女性をしあわせにし子どもを心豊かな大人に育て上げることが政治家の仕事ではないのか。

 

子どもは好奇心に駆られて行動し、行き詰まる、コケて膝を擦り剥く、が、それでいい、ひっくり返る怖さと痛さを教訓にして這い上がればいい、失敗と挫折が先を予見できる目を得させてくれる、だから何度でも試み、失敗して、痛さを知る人間になれ、失敗を恐れない人間になれ、日本の未来を担える大きな人物になれ、私たちはそう言って子どもたちを応援してあげなければいけない。

 

安心して子どもを産み育てられる社会、挑戦し失敗してもリセットできる社会、おちこぼれのない社会、知的安全保障を担える社会、そんな信頼できる社会を目指すことが大人になり損なったらしい私たちに課せられた責任なのだ、最早手遅れなどとは言うまい。

 

 

うちむらとしのりシェイクスピア朗読

http://shaks.jugem.jp/

 

 

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